チューリップの16thアルバム。1985年1月19日発売。 ファンの間では、このアルバムの評価はどうも芳しくない。重苦しいとか暗いとか。 他の作品と比べると暗い雰囲気で、財津さんの宇宙志向が暴走して、他のメンバーやファンが置いてけぼりになっている感じ。 それでも、チューリップのなかで1、2を争うくらい好きなアルバム。なんとも蠱惑的。ジャケットも美しい。 他の人にお勧めできるかというと難しく、癖が強いので、聴く人を選ぶ作品ではあると思う。 1曲目「春がくるくる」と6曲目「Route 134」、レコード両面の最初の曲はアップテンポだけど、それ以外の曲は基本的に地味で大人しい。 しかし、聴くほどに癖になっていくというか、後からじわじわと効いてくる、そんなスルメみたいな曲が並んでいると思う。
「ロベリア」は評価の分かれる曲で、古参のファンからは気持ち悪いなんていわれてしまっている。 第2期の3人のメンバー (と多くのファン) が離れる原因になったんじゃないかとも思うけど、これも大好きな曲 (この曲を最初に聴かされたときのメンバーの顔をみてみたい)。 「Someday Somewhere」の続編 (ハッピーエンド) といえる「ふたつめのクリスマス」でほっこりした後に、こんな陰陰滅滅とした曲をぶっこんでくるなんて、最初に聴いたときは、それはもうびっくりした。 ただ拒否反応みたいなのは一切なかった。実験精神というか、ファンに迎合しない感じが最高だと思った。 「心の旅」とか「サボテンの花」に馴染んでいる人に「ロベリア」を聴かせても、チューリップだと信じないし認めないだろうな。 当時付いていけた人は少数かもしれないけど、こちらのサイトによると、オリコン最高15位、売上3.6万枚と、そこそこ売れていた。